ケンブリッジ式カリキュラムとは?
エプソムカレッジ・マレーシアには、3〜18歳の生徒が在校しています。英国式の教育制度にしたがい、学年は9月はじまり。日本より早く5歳で Year1(1年生)となり、Year6(6年生)まではプレップスクール(初等教育部)に通います。
日本の小6から高3に相当するYear7-13はシニアスクール(中高等教育部)に属し、ほとんどの生徒が寮生活を送ります。
英国の義務教育は11年間。Year11修了までに IGCSE(International General Certificate of Secondary Education)という義務教育修了資格試験のインターナショナル版を受験することになります。
Year12-13ではシックスフォーム(Sixth Form)と呼ばれる2年間の大学進学準備過程を受講し、Aレベルという科目ごとの資格単位を取得します。
Prep School (就学前〜初等教育) |
年齢 | カリキュラム | 資格試験 |
Early Years | 3-4歳+ | – | – |
Year 1-3 | 5-7歳+ | Key Stage 1 | – |
Year 4-6 | 8-10歳+ | Key Stage 2 | – |
Senior School (中高等教育) |
年齢 | カリキュラム | 資格試験 |
Year 7-9 | 11-13歳+ | Key Stage 3 | – |
Year 10-11 | 14-15歳+ | Key Stage 4 | *IGCSE |
Year 12-13 | 16-17歳+ | Sixth Form | *A Level |
IGSCEからAレベルへーー進路を見定める移行期間
ホプキン先生が担当している キー・ステージ4とは、どのような学年を指すのでしょうか?
「年齢でいうと14〜16歳。英国では、義務教育期間を数年ごとのキー・ステージ(Key Stage)に分けており、各段階で学習する必修科目とその内容が定められています。ステージ4は最終段階にあたり、IGCSE資格試験で良い成績をとるためにも重要な期間です」
日本人にはわかりにくい英国の教育制度。IGCSEは科目ごとに受験し、合否だけでなくA〜Gの7段階で評価が付きます。7段階の上にはA* (エースター)と呼ばれる最上級、下にはUの不合格判定があります。
必須科目の英語・数学・理科のほかに選択科目があり、大学進学をめざす場合、最低でも5科目でC以上の評価を獲得しなければならないといわれます。
IGCSEが定める選択科目は、なんと70種類以上もあります。世界各地の現代言語/古典言語をはじめ、環境学、農業、デザイン&テクノロジー、会計学など、総合大学並みのラインナップ。
選択履修できる科目は、学校により異なります。
エプソムにも需要の高い選択科目がそろっており、必須科目のほかに、現代外国語と人文分野(歴史・地理、ビジネス学など)から1つ以上、さらにバランスよく広い分野から合計8〜11科目のIGCSE受験を勧めています。
「IGCSEの結果を受け、12−13年生では、大学進学に直結する Aレベル(General Certificate of Education, Advanced Level)の科目を履修します。希望の大学に進めるかどうかは、Aレベルの成績しだい。どこで何を学びたいか、将来何をやりたいかを見極め、IGCSEよりも少ない3〜5の選択科目に絞り込み、より専門的に勉強します」
そのため、「キー・ステージ4は、学びのベクトルを全方向から特定の方向へと定めていくための移行期間だと考えます」とホプキン先生。
日本では、学歴といえば卒業歴に注目しがちですが、IGCSEやAレベルの成績は、大学での学位と同じように、生涯にわたり有効な資格として重視されるもの。一般的に履歴書(CV)にも記載するので、就職などにも大きく影響してきます。
エプソムでは、義務教育修了までにできるだけ豊富な体験をさせることで将来への可能性を広げ、希望進路が定まったら、その道に進みやすくなるよう、サポートしています。
「国際交流やスポーツでの功績、ボランティア活動も、すべて履歴書に盛り込むことができます。ひとつのことだけでなく、さまざまな体験をしてきたことが、社会人としてもアピールできるでしょう」
気になる卒業生たちの進学先
次に、2017年にエプソムを卒業した生徒たちの成績と進学先を見ていきましょう。
受験したAレベルの科目は、数学33人、化学17人、物理学13人、生物学12人……と理数系が人気を集め、ほかに経済学、政治学、歴史、音楽など、合計18科目が選択されました。
受験結果は、最上位群のA*/Aが60%、最上位群〜上位群のA*/A/Bが86%。新設校でありながら大変優秀な成績を収めました。
進学先は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ロンドン大学(UCL)、ダラム大学、エディンバラ大学、ウォーリック大学、エクセター大学と、英国のトップ名門校グループ「ラッセル・グループ・ユニバーシティ」の加盟校がずらりと並びます。
英国以外では、アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、サンディエゴ大学、カナダのブリティッシュコロンビア大学、アイルランドの王立外科医学院(RCSI)など。
なんと卒業生全員が、第一志望の大学・学部に進学することができたそうです。
寮生活が英語力アップと自信につながる
ホプキン先生に日本人生徒の印象を尋ねてました。
「とても積極的で、何でもやってみようという前向きな生徒が多いと思います。社交的で、新しい仲間を受け入れるのが上手ですね。最初はシャイな生徒もいますが、寮生活を送るうちに仲間と助け合い、自然に社交術が身に付いています」
英語力についても、学習面で英語が母国語でない生徒への補習プログラムは万全ですが、それ以上に寮生活が飛躍的な上達につながっているとのこと。
先生ご自身もキャンパス内に住み、奥様もエプソムで美術を教えています。夫婦ともに、教科の担当だけでなく、進路指導や寮のハウスミストレスとしても子どもたちをサポートしています。
こうした家族的な校風が、子どもたちの精神面での成長や自信につながり、将来へのビジョンが描けるしっかりとした学生に育つのだなと感じました。