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日本とマレーシアの仕事の進め方の違い

最近よく聞く「グローバルマインド」という言葉。
この言葉の定義は、「世界各地の人々とともに協働する意欲、探求心、学ぶことへの謙虚さ」
だそうです。
哲学者の内田樹さんの言葉では、「自分と価値観も行動規範も違う「他者」と対面した時に、敬意と好奇心をもって接し、困難なコミュニケーションを立ち上げる意欲と能力が大切」だとのこと。

この言葉からすると、マレーシア生活6年目の私がなんとか生活できているということは、十分グローバルマインドを持った人のはず。
なのですが、実際の生活では、未だにマレーシアの、日本との商習慣や仕事の進め方の違いに戸惑ったり、わかってはいるけど適応するのが難しいことばかりです。

何度もトライアンドエラーを繰り返して、やっとわかってきた「日本の仕事の進め方と、マレーシアの仕事の進め方」の違いのパターンを伝えしようと思います。

まず、何か新しいプロジェクトを2社以上で行おうとして、大枠のコンセプトや内容に全員がだいたい合意できていた場合。
(仕事の進め方だけでなく、例えば子供の学校イベントの企画を数人で進めようとしている場合についても、同じように当てはまります。)

日本だと、まずは最も大事なお金の問題や、細かい部分、問題が起こりそうな部分などを明らかにしますよね。
いわゆる面倒なことを先に処理する。
見積もりを調整したり、問題について話し合うから、このはじめの段階で割と時間がかかる。
でもそこがクリアになると、プロジェクト実現のために確実に1歩ずつ進むことができるから、途中で「話が違う」とか、問題が噴出しすぎてポシャるということはほとんどない。

このやり方にずっと慣れてきた日本人である私は、マレーシアでは最初のプロジェクトへの取り掛かりのスピードがかなり早いと感じます。

マレーシアでは、大枠のコンセプトや内容に全員がだいたい合意できていた場合、ものすごく盛り上がって、どんどんプロジェクト実現のために進みます。
予算や起こりうる問題など、考えたり話し合ったりすることに時間がかかること、面倒だけど重要なこと、はだいたい後回し。
「ネバマイ ネバマイ オッケーラー( never mind, never mind, ok lah)」で進みます。
だから最初はなんでもできる気になるし、新しく提案したことに対する受け入れられている感もすごいし、スピードが感じられて気持ちよい。
これで最後まで問題なく進めば、スピード感抜群でとても良いプロジェクトになります。

ですが大抵はそうではなく、突っ走って7割型物事が進んだ後に、予算がないとか話が違うとか、最初からそんなこと言ってないとか、モメたりフェードアウトしたりポシャったりすることが本当に多い。
そういうスタイルだから、この国には裁判に携わる職業の人がたくさんいると聞いたことがあります。

最初に盛り上がって受け入れてもらって進んだ後の「話が違う」感は、突き落とされたようで本当に辛い。
途中までプロジェクトが進んでいるからなおさら、これまでやったことが無になる悲しさがひとしお。
でもそういうやり方が普通だからか、マレーシアの人で、後からその中途半端になってしまった仕事のことを気にしている人は誰もいません。

こういう体験が何度も重なって、この仕事の進め方の違いがようやくはっきりわかってきました。
パターンがわかったら、最初からそれに対応できる心構えで行くか、なんでも勉強になった、いい経験になった、と前向きになるのみ。
「貴重な体験をありがとう〜!」
「結果はともかく最初は盛り上がってくれてありがとう〜」
と謙虚に感謝の気持ちを持つと、ガッカリやイライラが軽減することを学びました。
日本人の友人に話したら、完全同意。
みんな苦労してます。

スピード感はマレーシア流がいいのだけど、日本流の慎重さも必要。
両方を兼ね備えた打ち合わせはベストです。

今日もグローバルマインドで頑張るのみ!