1か月ほど前のある日、知らない人から1通のメールが届きました。
名前は書いてあるけど、電話番号もメールアドレスも書いてないメール。
インド系の名前の方からで、それが男性なのか女性なのかもわからない。(外国の方の名前って難しい。)
その内容は、ロータリークラブジョホールバルにて、スピーチをしてほしいというもの。
過去に出会った人を思い浮かべてみるけれど、検討がつかず。
宛先に私の名前が書いてあるけど、Mr.と書いてあるから、私のことを男性だと思ってる。
おそらく会ったことのない人だろう。
はたしてこれは、いたずらメールなのか?本当なのか?
最近はいたずらメールも手が込んでいるし、本物メールかどうかの判別がむずかしい。
フィッシング詐欺に合うのも怖いので、ローカルの友人にそのメールを送って、手がかりを探してみた。
彼曰く、差出人は知らないけど、ロータリークラブのプレジデントの名前は、確かに合っていると。
メールを信じることにして、返信をした。
戻ってきた返信には、電話番号が書いてあった!
それから1か月後、私は、ロータリークラブジョホールバルのディナーパーティーにて、スピーチをしたのでした。
これは、2014年からジョホールバルに暮らしている私にとって、7年目に起きた大きな出来事です。
「ロータリークラブとは、1905年にはじまった世界初の奉仕クラブ団体であり、200以上の国と地域に3万3000近くのクラブを擁し、会員数は120万人以上である。 職業奉仕(会員の職業倫理を高めること)と、そこから広がる社会奉仕と国際親善を目的とする。会員には、トーマス・エジソン、マーガレットサッチャー、ジョンFケネディ、日本では松下幸之助、瀬戸内寂聴などが名を連ねる。(ウィキペディアより)」
要は、定期的なミーティングにより、奉仕活動をするクラブなのですが、信用のため、会員の紹介のみで入れて、寄付などの貢献も絶えずできる会社社長や医者、弁護士などが入会しています。
日本にいるときから、ロータリークラブという名は知っていましたが、自分にはまだまだ遠い存在だと思っていました。
ここジョホール州でも10くらいのロータリークラブの支部があるのですが、私が招待いただいたロータリークラブジョホールバルは、最も歴史が古く、最も大きな支部。
1951年にはじまり、60数名の会員数。
20年以上ずっと会員でいる方も少なくなく、平均年齢60歳超え、というような、大御所のあつまりのクラブです。
スピーチを1度するくらいで、たぶん私の生活は何も変わらないと思います。
たった1日の小さなことですが、私にとっては、感慨深いものがあります。
ここジョホールバルの中で見出していただき、ここに招待されたということは、マレーシア人のビジネス界の中で、自分のしてきたことがある意味認めてもらえたのではないか、と思うからです。
スピーチのテーマは、わかりやすく「ジョホールバルの日本食レストラン」にしました。
自己紹介をおりまぜて、ジョホールバルにある日本食レストランの傾向やおすすめの場所などを話すことにしました。
まず履歴書と職務経歴書をロータリークラブに送り、それからスライドと原稿を作成します。
多くの人の前で、日本語でさえスピーチなんてほとんどしたことがないのに、英語でなんてできるのか?
と思いつつ、「ここは多国籍国家マレーシア。通訳とかを介すより、下手な英語でも気持ちで当たれ!」という気分。
日本語で原稿を作ってから英語に翻訳し、それから23枚ものスライドを作りましたよ!
なぜマレーシアに来たのか、マレーシアで何をしているのか、そして日本食レストランのこと。
この3本立てで組み立てました。
原稿を作るにあたって、自分がしてきたこと、これからしていくこと、自分がしたいこと、が整理されて、よりクリアになり、すごくいい作業でした。
2014年3月にジョホールバルに来てから、フードコンサルティングやハラルのマーケティングリサーチをしつつ、当初はハラルのラーメン屋の運営、日本とマレーシアのビジネスマッチングイベント、などを行ってきましたが、約2年間の「何をするべきかまったくわからない時期、なんのパッションも持てない時期」を経て、ある日突然、自分のライフワークとはこれだ!という考えが降ってきました。
それから、ジョホールバルのメディアの集まり「JOCOM」の会員になってから約1年半。
JOCOMについては下記の記事で以前お伝えしました。
日本とマレーシアの架け橋的な役割をすること、自分がよいと思う文化(食文化やアート、音楽)を伝えること、人と人を繋ぐこと、これらが自分のライフワークであり、ずっとやりたいことなので、その道を信じて進んでいます!
自分の影響力は大きくはないけど、ほんのわずかかもしれないけど、決してゼロじゃないと信じると、楽しく頑張れます。
現地のレストランや場所、イベントの集客のお手伝いが少なからずできていること、それらの情報を通して、うれしい気持ちになる人がいる、ということは、何よりも原動力になります。
私の運営するレストラン紹介フェイスブックページ「ジョホールバルグルメ」とマレーシア情報ページ「ジョホールトゥデイ」の記事の執筆の依頼、ホテルやレストランからの招待数は、9月だけで19軒にもなりました。
1か月の3分の2は、おいしいものを食べて何か書いているという感じ。(胃を鍛えるためにジムに通いつつ。)
下記は、過去の反響がよかった記事です。
企業向けの、翻訳やリサーチの仕事、試食会イベントのサポートなど、コーディネイターとしての仕事の依頼も、仕事内容の幅も、少しずつ増えてきました。
コーポレートビジネスアドバイザーに就任した、日本式ドラッグストアの「TUNA」はゆっくりと順調に推移しています。
まだまだマレーシアで稼ぐ、と自信を持って言える状態にはまったくなっていませんが、
やりたいこと、信じていることだけをしている毎日はとても楽しいです。
これも、ずっと順風満帆できたわけではなく、仕事について何のやる気も起きない時期を経たからこそ、今があるという気もしています。
これからも、「つなぐ人」として、楽しいことをどんどんしていきたいと思います。
さて、肝心のスピーチのメインテーマ「ジョホールバルの日本食レストラン」について?
またどこかで書くことにしたいと思います。