マレーシアにあるインターナショナルスクール エプソムカレッジ・マレーシアに、
- IBディプロマ課程コンピュータサイエンス主席試験官
- カリキュラム革新と新興テクノロジーの専門家
- 国際バカロレアおよび世界各国の名門インターナショナルスクールのコンサルタント
- 受賞歴のある教育プログラムの設計者(ISC Research「International School of the Year」など)
- STEM分野への女子生徒の参加拡大を推進する情熱的な教育者
- サイエンスと倫理を物語で融合した著作『Biocode』シリーズの出版作家
というプロフィールをお持ちのDr. テレンス・マカダムスが着任しました。
主に、プログラムの設計をし、ご本人が指導もされています。在校生にはAIコースが課外活動として提供されたり、ホリデーキャンプを開催したり、生徒のAIに対する理解を深めるとともに、エプソムが大切にしている「21世紀型スキル」の育成に直結した内容が提供され、未来に向けた準備として、AIを学ぶ貴重な機会が与えられています。
目まぐるしく変わる現在。伝統的な英国式のカリキュラムとAIという最先端技術の融合について、Dr.テレンスにインタビューさせていただきました。すごく大切なことをお話ししていただいたインタビューだったので、全部伝えたい!長くなりますが、ぜひご一読ください!

良い部分を選び取り、カリキュラムに融合させる
IBディプロマのChief Examiner(主席試験官)としてご活躍されてきた中で、なぜ英国式カリキュラムを採用しているエプソムで働こうと思われたのですか?
「実はIBでは、Chief ExaminerがIBの学校で勤務することはできないんです。特に自分が担当する科目を教えることは認められていません。もともと私は英国教育出身で、キャリアのスタートもGCSEやAレベルの指導でしたし、12年間にわたり試験官やモデレーターも務めてきました。
カリキュラムそのものは決め手ではありません。英国式にもIBにもアメリカ式にも、それぞれ強みと弱みがあります。大切なのは”良い部分を選び取り、カリキュラムに融合させること“です。
たとえばIBのATLスキル(学習スキル)や学際的な学び、TOK(知の理論)などは英国式教育にも取り入れて発展させることができます。
私がエプソムカレッジ・マレーシアを選んだ理由は二つあります。
学校の歴史
創設者の一人から、コロナ禍で閉校寸前まで追い込まれた話を聞きました。驚いたのは、まず生徒の安全を最優先にし、ロックダウン前に全員を安全に帰宅させたこと。生徒第一のその姿勢に感銘を受け、「この学校の未来を築く手助けをしたい」と思いました。
リアルな学びの場の創出
エプソムカレッジ・マレーシアはオーモンドグループの一員であり、ボルネオや日本などで実際に体験型プログラムを作ることができます。グループのホテルを教育リトリートセンターとして活用し、航空会社のネットワークを通じて移動も可能にする。エアアジア創業者トニー・フェルナンデス氏が理事長を務めているからこそ、他の学校ではできない学びの機会を提供できるのです」
エプソムカレッジ・マレーシアを、この地域を代表する学校に
エプソムカレッジ・マレーシアで成し遂げたいこととは?
「エプソムカレッジ・マレーシアを、この地域を代表する学校にしたいと考えています。すでに高く評価されていますが、他のトップ校と比べて際立った違いは「生徒のケア」と「リーダーシップ」(COBISのダブルビーコン)でした。
しかし教育は変化しています。OECDやUNESCOが示すように、2030年に必要なスキルは「起業家精神」「主体性」「グローバルな視点」そして「AIを学習や創造に活用する力」です。大学ですら、博士課程に起業やAIを組み込み始めています。
エプソムには、生徒の主体性・起業家精神・AI教育をリードできる素地があります。その中核となるのがグローバルエンリッチメントプログラムです。これは学校と同じガバナンスの下にある商業的プログラムで、教室での学びを国際的なリトリートや幅広い機会につなげられる、他に類を見ない仕組みです。」
COBISのダブルビーコンは、世界450校中6校のみ。それでも変化する教育や時代に適応できる人材育成には、さまざまな取り組みが必要となっているんですね。
COBISのダブルビーコンについてはこちら↓
エプソムカレッジ・マレーシアはなぜ世界トップクラスと言えるのか?日本の文部科学省も公式に認めるCOBIS認定校とは?
教室の成功だけでなく「その先」を見据えたプログラム
具体的にはどのような取り組みをされていますか?
私は教室の成功だけでなく「その先」を見据えたプログラムを設計しています。
- Wild Minds:AIと社会起業をテーマにした10日間のサマープログラムとして始まり、現在はYear7・8のボルネオ研修旅行となっています。生徒たちは保全活動に挑戦します。
- Academic Minds:12月に実施される、教育科学に基づいた研究スキル研修。リトリーバルプラクティス(想起練習)やメタ認知、データ分析などを学び、独立研究に必要な基盤を育てます。
- Artificial Minds:プログラミング、機械学習、AIの倫理(データセット、アルゴリズムのバイアス、公平性)を学ぶ新しいプログラムです。PSHE(人間教育)の一部として年齢に応じたAIと倫理のカリキュラムにも取り入れています。
- Financial Minds(計画中):金融リテラシーと起業家精神を養うプログラム。
- University Pathways Programme(計画中):Year9から世界トップ大学進学に向けた支援を行うもの。
変化に対応し、未知の問題に直面しても粘り強く考え続けられる生徒が活躍できる
未来を見据えるプロに、これからの時代に活躍できるのは、どんな生徒なのか聞いてみました。
「変化に対応し、未知の問題に直面しても粘り強く考え続けられる生徒です。
私たちはそのために5つのコアコンピテンシーを重視しています。
- コンピュテーショナル・シンキング
- デザイン思考
- システム思考
- メタ認知
- 責任あるイノベーション
これらは、生徒に”問題を分解し、アイデアを試し、つながりを見出し、選択を振り返り、変化が本当に必要かを問う習慣“を与えます。
さらに重要なのはAIの活用です。AIは人類の知識にアクセスする道具であり、情報を問い直し、学際的に結びつけ、新しい発想へと統合する力を持っています。成功するのは”AIを自分の思考と創造を広げるために活用できる人“だと思います。」
私たち保護者、大人にとっても必要なスキルと言われていますよね。それを学校のプログラムの中で学ぶことができるのは、エプソムカレッジ・マレーシアの魅力の一つではないでしょうか。
若い世代に必要な心構えとは
「“好奇心”と”規律”を兼ね備えることです。好奇心は問いを生み、新しい世界へ導きます。規律はその探究心を継続的な成長に変えます。この二つが合わさることで、幅広く探究しつつ深みを築ける学習者になれるのです。
また、失敗から立ち直る力も欠かせません。キップリングは”最初からやり直す力”と表現しましたが、挫折から回復し、再び挑戦できるかどうかが成長を決めます。
さらに”内省”と”協働”も大切です。自分の学びを振り返り、成功や失敗の理由を理解し、次に生かす習慣。そして異なる意見を持つ仲間と建設的に意見を交わし、チームの力で新しい解決策を見つける姿勢です。」
好奇心があり、学びでリスクを取れる生徒に来てほしい
どんな生徒に教えたいと思いますか?
「私は”好奇心があり、学びでリスクを取れる生徒“が大好きです。正しい答えを知っているかどうかではなく、質問し、アイデアを試し、可能性を探ろうとする姿勢が大切です。
たとえば今、Year13の4人と一緒に”医師の共感力を高めるアプリ“を開発しています。Grammarlyが文章を改善するように、患者との会話で共感が欠けている部分をAIが指摘し、改善案を提示する仕組みです。単なる好奇心の火花が、社会に影響を与える可能性のあるプロジェクトに成長する瞬間は、本当に教育者としての喜びです。
教育とは”若者に創造する力を与え、起業家精神を育て、AIを人間のために活用する方法を学ばせること“だと考えています。」
留学を「学業の一歩」だけでなく「人生の経験」として見てほしい
最後に、留学を検討している日本のご家庭へのメッセージをお願いします。
「2010年に英国を離れてサウジアラビアへ渡った時、大きなリスクを取ったと感じました。でもそれは人生で最も重要な決断の一つになりました。新しい経験が私を広い視野へ導き、かけがえのない出会いや機会をもたらしてくれたのです。
韓国のNLCS済州でボーディングスクールで指導していた時には、本当に「もう一つの家族」のようなコミュニティがありました。いまでも当時の教え子たちから時々メッセージが届きます。
だから日本の皆さんにも、留学を「学業の一歩」だけでなく「人生の経験」として見てほしいのです。不安もあるでしょうが、その先にあるのは独立心、新しい視点、そして一生の友情です。留学は、第二の家族と出会い、人生を形作る大きなきっかけになるはずです。」


実は、先生方も自国を離れ、知らない土地で過ごすという経験をされています。だからこそ、お子さまたちの気持ちもわかり、そこから得られるものも理解されている。そんな先生方と一緒に第二の家族を築くことができるのが、インターナショナルスクールへの留学という大学の留学とは違い貴重な体験や経験ができるチャンスになるのではないでしょうか。
エプソムカレッジ・マレーシア JAPAN TOUR 2025
エプソムカレッジ・マレーシアがあなたの街にやってきます。
9/14(日) 札幌
9/15(月・祝) 名古屋
9/20(土) 神戸
9/21(日) 福岡
にて、エプソムカレッジ・マレーシアの日本人スタッフ 鈴木 りのさんが、直接、現地のリアルな最新情報をみなさまにお届けします。
ワクワク海外移住代表 佐藤もりのさんと一緒に縦断するJapan Tour。
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