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「もう日本の学校には戻れない」
生徒が語る「エプソムカレッジ・マレーシア」の教育内容とは?

取材・文/野本響子(マレーシア在住ジャーナリスト)

エプソムカレッジを3年にわたり取材していて驚くのは、「もう日本の学校に帰りたくない」と明言する生徒が少なくないこと。それから、「学校に来て性格が変わりました」と話す人すらいることです。 「アクティブ・ラーニング」で積極的に授業への参加が求められる上、毎日クラブ活動に寮のイベントにと、生徒の1日は非常に忙しく、ゆっくり休む時間はほとんどありません。しかも、ここでは誰もが苦手なことにもチャレンジするように奨励されます。中学生で家を離れて寮生活を送れば、ホームシックになる人も出てくるし、嫌なこともそれなりに起きるでしょう。なのになぜ? 二人の生徒に聞いてみました。

性格が変わり、明るくなりました

まずは、2年前から在籍しているYear11の飯島アナまゆみさん。中学2年までクアラルンプール日本人学校に通っていましたが、インターナショナルスクールに通うのは初めてです。現在、寮生活をしており、IGCSEと呼ばれる義務教育課程修了試験の準備中です。お父さんが日本人、お母さんはインド系マレーシア人なので、家庭内でお母さんとは英語で話しています。

成績優秀だということで、今回のインタビューに先生から推薦していただいた飯島アナまゆみさん。落ち着いた静かな語り口ながら、芯の強さを感じました

飯島さんは親元を離れて寮で生活しているわけですが、生活には慣れましたか。

はい。寮生活も含め、ここでは友達がたくさんいて楽しいですね。英語にも慣れました。

日本人学校に戻りたいと思うことはないですか?

ないです。学校は楽しいし、できればずっとここにいたいですね。性格も良い方向に変わりました。

まず、なぜそんなに楽しいのですか。

ここでは授業自体が楽しいんですよ。
日本人学校も先生たちは非常に良かったのです。ただし、授業では先生が黒板に書いたことを生徒たちがノートに写すのが主でした。エプソムでは授業自体がまるで毎回アクティビティのよう。議論したり、自分で調べたりします。他の国の生徒と一緒に英語で学習することは面白いと思いますね。 また、日本人学校に比べると、クラスの生徒が少なくて、先生との距離が非常に近いです。

ここに来てスポーツが好きになったと聞きました。

スポーツをする機会が多く、運動が大好きになりました。今は、クラブ活動でサッカー、ネットボール、ホッケー、バスケットボールをやっています。
それに比べると、日本人学校ではスポーツをあまりやらなかったですね。

そんなにいろんなことを同時にしているのですか。なかには得意じゃないスポーツもあるのでは?

もちろんそうですが、運動が苦手な子をみんなで励ます文化があり、下手な子でもスポーツを楽しめるんですよ。
できないから怒られたり、先輩が威張ったりすることもありません。

その他のクラブ活動はやっていますか。

音楽、編み物もしますね。楽器もやっています。ヴァイオリン、ピアノ、クラリネット、そして琴です。
先週はマレーシア・フィルハーモニー・ユース・オーケストラ(マレーシアフィルハーモニーが指導する若者のためのオーケストラ教室)を呼んで、合同コンサートでヴァイオリンを演奏しました。とても楽しかったです。

寮生活はどうですか。いじめは起きないですか?

喧嘩はありますが、いじめはありません。授業が楽しいから、ストレスが少ないです。
日本人学校では女子はグループをつくって、その中でいじめが起きました。ところがエプソムではグループがない。誰とでも仲良くなるカルチャーがあるんです。誰にでもフレンドリーに接するというか。

とはいえ、最初からそんな子ばかりではないのでしょう?

もちろん、最初はシャイな子もいますよ。でも、まわりの人がフレンドリーなので、だんだん性格が変わってくる。エプソムには新しい子を歓迎する雰囲気があるし、ここでは全員がリスペクトされるんです。それに何かあったときには、日本人学校よりも先生に相談するのが簡単なんですよ。

それはいいですね。

ハッピーですね。私自身も、性格が明るくなったし、授業で発言するようになりました。 ここに来るとほとんどの人の性格が変わると思います。誰でも楽しく学生生活を送れると思いますよ。

将来の進路は考えていますか?

私の母は歯医者なのですが、私も将来はイギリスの大学で学び、母のようにシンガポールで歯医者になりたいと思います。

ありがとうございました。

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静かながら芯の強そうな飯島さん。「ここに来ると誰でも性格が変わる」という発言には驚きでしたが、質問に一つひとつ、丁寧に言葉を選びながら答えてくれたのが印象的でした。

ここでは「失敗は良いこと」だと教えられます

次にYear7(中学1年)に在籍する田中康太さん(仮名)に聞きました。ここに来る前に、シンガポールのインターナショナルスクールと、マレーシアの別の英国式のインターナショナルスクールを経験しています。田中さんは寮には入らず、学校から少し離れた自宅に家族と一緒に住み、そこから通っています。時々寮に泊まることもあるそうです。

田中康太さん。シンガポールとマレーシアで別のインターナショナル・スクールを経験。基本的には自宅から通いますが、ときどき寮に泊まることもあるそうです

なぜエプソムカレッジに入ったのですか。

まずシンガポールのインターナショナル・スクールで英語を学び、その後マレーシアで別の学校にいましたが、日本人ばかりで固まってしまい、英語が伸びないなと思い転校しました。エプソム・カレッジの授業を体験してみて、いいなぁ、と思いました。欧米の先生の授業のやり方は好きですね。

エプソムに入ってみてどうですか。

思った以上に良かった、というのが実感です。日本と違って授業ではグループに分かれて座り、思ったことをシェアできるんです。先生が喋っている時にも、許可を得れば自分の考えを言ってもいい。いろんな国籍の子がいるので、他の国のことや言葉を教えてもらったりできます。 僕は比較的英語が話せたので、普通のクラスに入っています。それでも英語でのプレゼンは大変です。今、他の国のことを調べていますが、英語で情報を持ってくるのは難しい。マレーシア人は2〜3ヶ国語を喋れるので、うらやましいです。僕自身も第二外国語で、フランス語、スペイン語、中国語を習っていますが、大変ですよ。

クラブ活動は何をしていますか。

クラブ活動は、ドラマ、ホッケー、ストンプ(打楽器の一種)、ロボティクス、フォーバイフォー(小さい車を作って競技する)をやってます。ラグビーは迫力が凄くて怖いけど、サッカーは日本の子が上手です。ロボティクスは自分なりのデザインでロボットを作れたりして楽しいですね。このほかにハウス同士での競争やコンペティションなどもあり、毎日忙しいです。家に帰るのは夜7時なので、ごはんを食べて宿題をしたらおしまいです。

今は自宅からの通学なのですね。

今は学校から30分のところに住んで通っていますが、イベントの時に寮に泊まったこともあります。寮も楽しそうだなーと思っています。でもエアコンが寒かった。

いじめはないのですか。

「いじり」はありますが、いじめはないですね。こちらでは、深刻ないじめにはならないと思います。エプソムでいじめを見たことはありません。

新しい子でもなじめますか?

新しく来た子も、すぐなじめますよ。誰かがすぐに助けてくれる。僕が入った時も、最初にバングラディッシュ出身の優しい友だちができて、とても助けられました。

日本の学校に帰りたいと思うことは?

帰りたくなったことはないですね。エプソムでは「失敗はいいこと」だと教えられるので、堂々と意見を言うことが怖くありません。日本人は何かを知らないときにバカにしたりするけれど、他の国の人はバカにしません。ここでは、間違ってもいいんです。 体型や運動神経が悪くても、仲間はずれにしないし、みんながみんな友だちで親切です。学校内にフィールドがいっぱいあって、いろいろ体験できるのもいいです。

日本人同士は固まらないのですか?

学校では、同じ国から来た人同士でも自然に英語を話します。寮生活では他の国の子もいるので、みんなで話すときは日本人同士でも自然に英語で話していると思います。

エプソムカレッジにに向く人、向かない人はいると思いますか。

誰でも入ればなじめると思いますよ。良い学校なので、ぜひ入ってきてください。

ありがとうございました。

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エプソム独特の非常に忙しいスケジュールの中、慣れない英語で全ての授業を受けるのは、並大抵のことではないと察しますが、どのお子さんも「多様な環境で英語で学ぶことの楽しさ」を実感している様子が印象的でした。次回は、エプソムで授業を教えるだけでなく、生徒たちと生活をともにし、精神面からも生徒たちを支える、現場の先生たちの声をご紹介します。