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【保存版】留学生がマレーシアでパスポートを失くしたら

ワクワクでは主夫能力を活かし、留学生のお世話をしているごまたろうです。
ゴハン作ったりもだけど、学校から空港への送迎なども大事な仕事。

まあ、その送迎ひとつとっても、何が起こるかわからないマレーシア。
スムーズに事が運んだら、ラッキーだったとおもって間違いないです。ホントに。

さて先月末のこと。
今学期も終わり、夏休みを日本で過ごすたくさんの留学生を空港まで…とおもったら。

のほほんボーイのR(12歳男子)が学校でパスポートを失くしました。

帰国日の朝、寮の先生からパスポートを受け取ったあと、まさかの紛失。
学校関係者、友人があちこち探したけど見つからず。

どうやらパーカーのポケットに入れ、服ごと失くしゴミ箱行き、すでに清掃車に持っていかれた可能性大。。
この日は帰国便をキャンセルしました。

備忘録のためにも超詳しくレポートします!
マレーシアでパスポート紛失したとき、どうするか。

【Aコース】 日本大使館でパスポート再発行手続き →→→ 申請から4日かかる
【Bコース】 スペシャルパス(日本大使館より渡航書)発行手続き →→→ 最速で2日ほど

このどちらかですが、今回はBコースのスペシャルパスを手にするのがゴールとなりました。

というのも、Rは「学生ビザ」を持っています。
このため今回、単純なパスポート紛失処理では済まず、Aコースを選択した場合、パスポート再発行の後に学生ビザの手続き(具体的には新パスポートにビザを貼る)が必要があるということ。
これがないと、出入国ができません。

なので、手続きが早く済むBコースにして、日本でパスポートを再発行してもらうことに。
早く日本へ帰らなきゃ!

Bコースの場合、行くべき施設とゲットすべき書類はこちら。

【STEP1】 マレーシア現地警察 →→→ ポリスレポート
【STEP2】 在マレーシア日本大使館 →→→ 渡航書
【STEP3】 マレーシア移民局 →→→ スペシャルパス

この順序でないとゴールできません。

紛失が発覚した直後から、ワクワクメンバーが総力あげての書類手配が始まりました。

実は上記3つの書類をゲットするのには、また別のさまざまな書類が必要。
そう、これは膨大な書類をかき集める「書類すごろく」なんです!

【STEP1】 マレーシア現地警察

一般にポリスレポートはどこの警察で作ってもらってもいい、といわれます。

ところが実際は、扉開けたら「2台パソコンがあり、書類作りスタンバイな担当警官が座っている」警察がいいです!

試しに近所の小さめの警察にごめんくださーいといったところ、奥から出てきたお巡りさんが

「うーん、レポート作れなくはないけど……君、キーボード打てる?」

おーい、それアリなの?
みたいに、書類作りに慣れてない場合もあるので、ざっくりデカいとこがいいでしょう。

紛失現場の近くに行ってくれというアドバイスもあり、今回はKLIA近くのIPD KLIAに行きました。

「パスポートなくしたので、ポリスレポートもらえますか?」とお願い。

警察署での必要書類
1) 本人のパスポート(コピー)
2) 紛失現場の住所がわかるもの ※今回は学生証(学校住所記載)のコピーを持参。
3) ごまたろうのパスポート(付き添い人として)

受け取るポリスレポート、書類はA4が1枚。(無料)
今回待ち時間なくサクっとやってくれましたが、それでも1時間ほどかかりました。

実は以前、別の留学生のポリスレポートを、Brickfieldsというやや都心部の警察で頼んだことがあります。
そのときは部署のたらい回しも手伝って、2時間以上かかりました。
しかもなぜか費用がかかり、RM2。

このように、マレーシアの手続きはなんでもケースバイケース、であります。
ポリスレポート入手は移動時間も含め、半日かかる、と計算すると無難ですね。

【STEP2】 在マレーシア日本大使館

ここは「日本」なので、処理は何もかも迅速であり、例外もありませんので安心です。
事前に電話やメールで問い合わせをしておくと、担当の方が親切に教えてくれるのでスムーズです。

在マレーシア日本大使館での必要書類
1) 紛失一般旅券届出書(大使館備え、現場で書く)
2) 渡航書発給申請書(大使館備え、現場で書く)
3) ポリスレポート(コピー)
4) 戸籍謄本(6ヶ月以内に取得したもののコピー)※オリジナルは後日国際郵便で郵送必要
5) 顔写真2枚(白背景 縦45×横35ミリ)
6) 帰国航空便の予約チケット(コピー)※本人の名前、出発到着場所明記のもの
7) 紛失したパスポートのコピー

通常は以上ですが、今回12歳男子なので、さらに付き添いごまたろうに関して

8) ごまたろうパスポート(コピー)
9) 未成年の子に対する旅券/渡航書発給同意書(日本にいる保護者からごまたろうへの委任状)※オリジナルは大使館へ郵送必要
10) R両親の各パスポート(コピー)

受け取る渡航書、書類は立派な仮パスポート仕様1枚。(RM95)
順調でも2時間かかりました。

大使館は朝8時半から稼働ですが、クアラルンプールの都心部に位置するのでどこからアプローチしても周囲の渋滞がひどいです。
9時前後に大使館に行くときは通常の2倍時間がかかる、と予想した計画を立ててくださいね。

戸籍謄本や委任状、などは、ごまたろうが動いてる間に、デイジーたちがRのご両親とメールなどでやりとりして、日本からこちらに送ってもらっている書類です。
この書類集めが遅くなると、それだけ帰国日が延びてしまいます!

顔写真については、日本のように3分写真コーナーが充実してないので、ショッピングモールのカメラ屋兼出力屋に頼むことになります。
500円〜1000円くらい。

帰国のチケットは、ゴールのスペシャルパスが入手できるであろう日の、翌日便を手配が安全です。

例えば今回は、

金曜:紛失 → 土曜:警察 → 日曜:写真撮影 → 月曜:午前大使館・午後移民局 → 火曜:帰国(今回、実際に帰国できたのは水曜でした)

という流れが最速シナリオだったので、火曜にチケットを予約しました。

さて、この流れでゲットした渡航書を持ち、移民局へ。
KLCCという都心部にある大使館と、Putra Jayaという行政中心地の移民局へは約40Kmでクルマで40分ほど。

この移動だけでも十分大変です。。

【STEP3】 マレーシア移民局

移民局はこちら。
Jabatan Imigresen Malaysia / Level 4 Enforcement Division
※近所に似たようなパスポート用の施設があるので、ご注意。

さて、ゴールに立ちはだかる最強のハードルにきました。
はっきりいって、初めて来た日本の人は少しビビる施設です。

というのは、政府施設に行くとわかりますが、案内や表示はすべてマレー語です。
英語ゼロです。

そして人の多さ。
様々な国籍であろう人で朝からごったがえしています。

子どもからお年寄りまで。正面玄関、各フロア、各部屋、すべてのレベルで激混み。
集まった皆さんには、焦りとキンチョー感が漂っていますよ。。(まあなんとかなるさ感も)

日本大使館から、イミグレーション(移民局)での手続きにどんな書類が必要か確認してください、と案内を受けていたので、事前に電話しました。

すると、「大使館からの渡航書だけあればいいですよー」という軽い返事。ホントか? 
マレーシアの公的手続きは、必要書類が刻々と変わり、担当者次第でも変わります。

ちなみに、日本大使館からのアドバイスは、「ご両親や学校から、紛失の事情とビザなしで出入国をするのを許可してほしいというレター(書類ですね)を英語で用意したほうがいいのではないか」でした。

移民局のために用意した書類(渡航書だけじゃぁだめでしょ)
1) 渡航書
2) ポリスレポート(コピー)
3) 委任状(英語)※ご両親による、ごまたろうへのもの
4) 帰国航空便の予約チケット(コピー)
5) 本人のパスポート(コピー)
6) 本人の学生証
7) ごまたろうのパスポート(コピー)

とりあえずレターはまだ手元にないが、持ってる武器だけで部屋に突入。
部屋では電光掲示板で順番に番号を案内されてます。

こういうところはまず、番号付き整理券をもらう機械かカウンターがあります。
ここはカウンター。

係の人にパスポート紛失を告げると、なぜか2番カウンターに行けと。
あれ? 整理券はいいの?

Rとカウンターに行くと、今対応中の申請者は横に、こちらの対応をしてくれます。

移民局で実際に要求された書類
1) 渡航書
2) ポリスレポート(コピー)
3) 帰国航空便の予約チケット(コピー)
4) 本人のパスポート(コピー)
5) 本人の学生証(コピー)
6) ごまたろうのパスポート(コピー)

ほーら、やっぱりいろいろ必要じゃないすか!(事前の電話確認はなんだったの)
これらを渡すとこのタイミングで、「整理券とってね、そのうち呼ぶから」といわれました。

うーむ、これはRが子どもだから「子ども特急処理」がされている気配濃厚。
ラッキーだ。
とりあえず、申請を待ち時間ゼロで受け取ってくれました。

一般の申請者はまともに待つと、運が悪ければ朝から夕方まで待つレベルの混み具合。
稼働窓口数3に対し申請者数200越え(部屋の外も人人人)が完全にオーバーしてます。

30分ほど待ってると午後1時に。
ここで1時間ランチタイム、また2時に来てねといわれ。

さすがマレーシア、みなさん昼休みはきっちりとります。
われらもランチしました。

2時に戻ると30分ほどで窓口のお兄さんに呼ばれる。

「ごまたろう、あなた父親じゃないの?」
「現地ガーディアンです。これ、ご両親からの委任状です」
(委任状(英語)※ご両親による、ごまたろうへのもの)
「あー、父親だったらよかったのに。。」
「え、この書類ではだめ?」

上司っぽい強面お姉さん登場
「あなたが保護者という証明を大使館からもらってきて」

「(そんなー、大使館がこの委任状でごまたろうを認めて渡航書がOKなのに!)」※心の声

「この子は独りで飛行機乗るの? あなたは付き添いしないの??」
「いや、空港でアテンダント付くので…」

「在学証明書を持った学校のrepresentative(代理人)をここに連れてきてなう!」
「…なう!か…」※心の声

学校に連絡をとり、誰か来れますかーと頼むも急には無理だと。そりゃそうだ。
この日はあきらめ、翌日にレターを持って学校の事務の人と移民局で待ち合わせ、再申請することに。
航空チケットは1日後に変更しました。

翌日。

午前中、学校から事務のEさんがきてくれるので、移民局で待ち合わせ。
とりあえず昨日と同じ窓口のお兄さんがいたので(ラッキー)、整理券もとらず3人でカウンターに。

学校職員Eさんが持参した書類
1) Rの在学証明
2) Rの学生ビザ(パスポートのビザページコピー)
3) Eさんの身分証明書のコピー

新たにごまたろうが持参した書類
4) 帰国航空便の新予約チケット(コピー)※予約変更後の新チケット

Eさんはマレー語でいろいろ窓口さんに説明。
10分ほどで納得してくれたようで、Eさんはここでお役ごめん。
お礼をいい、帰ってもらいました。

1時間ほど待ち、会計に8番カウンター
(整理番号の読み上げなく別種のモニターに表示されるので注意)へ。

RM100払い、領収書をまた2番カウンターへ。
ここで午後1時になったので、またランチタイム後に戻ってきました。

ほどなく、スペシャルパスが渡航書にホッチキスでとめられて渡されました。

ゴール!!!

もう一度、結果的に2日間に渡り移民局で必要だったもののおさらいです。

移民局で必要だった書類と人
1) 渡航書
2) ポリスレポート(コピー)
3) 委任状(英語)※ご両親による、ごまたろうへのもの
4) 帰国航空便の予約チケット(コピー)
5) 本人のパスポート(コピー)
6) 本人の学生証
7) ごまたろうのパスポート(コピー)
8) 本人の在学証明
9) 本人の学生ビザ(パスポートのビザページコピー)
10) Eさん(学校関係者)の身分証明書のコピー
11) Eさんの立会い←書類だけでは済まなかった

スペシャルパス発行料 RM100

このスペシャルパスと渡航書を持ち、Rは無事KLIA国際空港から日本へ帰国できました。

いかがでしょう。
留学生がパスポートを失くすと、今回帰国するために必要だったもの/ことは、

◎ 用意した書類は15種類以上

◎ クルマでの移動距離は3箇所の施設訪問(計4回)のために合計330Km以上

◎ 実働27時間以上(書類手配のための連絡を入れたら、合計何時間費やしたか計り知れません)

2つの発行書類(渡航書とスペシャルパス)の単純な合計費用は5,100円程度ですが、上記のことをこなすには足掛け5日かかっています。。(今回、土日をはさんでいるので、全て平日だとまた変わってきますが)
親御さんへは、もちろんエクストラチャージです。。

そして、不幸にもこの事態に遭遇したみなさん。マレーシアでは手続きはすべて、いつの間にか新ルールに更新されてたり、担当者次第で必要書類(どころか必要「人」)が変わったりするので、事前の確認(無意味の場合もあるが)と、準備しすぎるくらいの段取りでゴールをめざしてください。

この記事も、あくまで今回はこうであった、という参考例にとどめて絶対視しないでくださいね。

特に、大人がパスポート紛失手続きの場合、「子ども特急処理」は期待できません。
そのときは移民局は長丁場だと心して突撃しましょう。

Rよ、二度とパスポート失くすなよ!