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マレーシアの就職事情 〜現地採用の現実とは!?〜

1985年以来、経済発展しつづけているマレーシアにおいて、日本人の労働状況はここ10年で大きく変わりつつあるといいます。
特に2011年の震災以降は、「マレーシアで働きたい」という30〜40代が増えているとか。
マレーシアマガジンのフミコさんと一緒にとある人材紹介会社をお訪ねし、「現地採用」の現状についてお聞きしました。
※2016年2月24日追記あり。

 
◎ズバリ、現地採用の給与は?

相場は、月RM5000〜9000(約15万5000〜27万9000円約14万円〜25万2000円)。
ローカルの大学初任給はRM2600(約8万円約7万2000円)ですから、これは部長クラスの待遇なのだとか!

ローカルよりかなりたくさんお給料がもらえることは一見喜ばしいことですが、現実にはそうともいえない面も多々あるようで……。
なぜなら、給料が高いゆえにローカルからねたまれやすいそう(´Д`)
つまり、「日本人でなければできない仕事だから、ローカルではなくあえて自分が採用された」ということを自身で明確に示す必要がある、プレッシャーの大きい立場となります。

単に「日本語ができる」というだけでは、日本語堪能なマレーシア人(日本へ国費留学していた優秀な人材がたくさんいます!)を雇えばいいのでは、という話。
ですから、「ローカルも納得する働きぶりを見せる」ことが重要というわけです。
過去には職場でいじめにあい、結局退職せざるをえなくなった事例もあるとか……( ̄ヘ ̄;)

仕事に対する意識も、ローカルと日本人では大きな隔たりがあります。
たとえば多くのローカルは、終業時間の17:30になるとあっという間にタイムカードを押して帰宅してしまうそう。
その尻拭いをするのが、現地採用の日本人というわけです。
現地採用の日本人スタッフだけが、夜遅くまでオフィスに残って仕事をするということはよくある光景なのだとか。

また、ローカルは働かないのにプライドだけは高いという厄介な一面も。
一般社員にトイレ掃除をさせたり、マネージャークラスの人に車の運転をさせたりというのは、御法度なのだそうです。
日本人駐在員も、残業や出張が多いようですが、彼らがゴルフを楽しんでいる間、現地採用の日本人は働いていることもあるとかないとか……。

つまり、現地採用の日本人は
◆とっても労働時間が長い
◆ローカルと駐在員の板ばさみでストレスが多い
という傾向があるといえそうです。

確かにデイジーの知る限り、現地採用で働く日本人たち本当に忙しそうで、毎日夜遅くまで仕事をしています。
休日返上で働いていることも珍しくないようです……( ̄ヘ ̄;)

 
◎どんな職種がある?

営業職、日本人管理職の秘書、コールセンターのオペレーター、金型のプロフェッショナルなど。

ひと口に「営業職」といっても、ASEAN10カ国をたったひとりで担当することもあるとか!
出張ばかりになりそうですよね……(´Д`)
コールセンターのオペレーターは、多くは怒りモードで電話してくる人を相手にしなくてはならないので、精神的にはかなりしんどそうです。
ときにはモンスタークレーマーも相手にしなくちゃいけない場合もあるでしょう!(´Д`)
ごくたまにですが、「社長の鞄持ち」という簡単(ラク?)な仕事もあるようです(当然倍率は高いそうです!)。

現地採用を希望する日本人からは事務職への問い合わせが多いそうですが、人件費の安いローカルでもできる仕事のために日本人を採用することはほとんどありません。

 
◎学歴や年齢は?

一般には、学歴は専門学校卒業以上が必要で、年齢は経験と専門知識のある20代後半〜40代前半くらいまでの求人が多いそう。

2009年より企業が就労パス(労働ビザ)を発行できる条件に、以下の条項が加わりました。
1)就労パスを発行できるのは、資本金50万リンギット以上の企業に限る(ただし、資本金50万RMでは発行できる就労パスは1〜2名分程度。IT系は優遇されていて、MSCを取得したIT企業は就労パスを無制限に発行可能。)
2)被雇用者に月給RM5000以上(ただし手当や現物支給も含まれる)を支払うこと
3)年齢27歳以上 ※年齢制限は事実上撤廃
4)学歴は専門学校以上

ただし、3)の年齢規定については緩和されつつあり、審査する担当役人によって当たりはずれがあるそうです。
IT系なら若い人も就労が可能です。
4)については、調理師や職人は学歴不問の場合も。

いずれにしても申請してみないことにはわからない、という状況らしいです。
全体的には、“完成品の人材”が求められる傾向があり、新卒は厳しいそうです。

 
◎就労パス(労働ビザ)について

就職先の会社が申請し、2年ごとに更新が必要です。
退職したら就労パスも切れるため、一度出国する必要があります(退職後、1週間以内に出国しなければなりません)。
転職の場合、退職後6か月間はクーリングピリオド期間で就労できません。
ただし、前の雇用先からリリースレターを発行してもらえれば、この限りではありません。
リリースレターがあれば、次の就労パス申請が可能になるため、新たな雇用先に申請手続きをしてもらうことができ、一度出国する必要もありません。
 

◎健康保険と年金について

マレーシアには日本のような国民健康保険制度がありません。
代わりに任意で民間の保険に加入するか、雇用企業が保険をかけてくれるというような選択となります。
また「EPF」という労使折半の積み立て制度があり、こちらは年利6%程度がつくそう(複利です!!)。
マレーシア人は必ずこのEPFに加入することになっていますが、日本人(外国人)は任意です。
給与から11%8%の天引き+会社から13%、合計24%で毎月積み立て、55歳になると下ろすことができます。
これが年金の代わりになります。
 

◎英語力はどれくらい必要?

就職の面接は通常、英語で行います。
日系企業であっても、一次面接はローカルの人事担当が行うことが多いので、日常会話は必要です。

 
◎英語ができない人は就職できない?

英語ができない場合、コールセンターのオペレーターという道もあります。
クレーム処理等の企業の問い合わせ窓口ですね。
しかし、こちらは逆に優れた日本語力が必要なのだとか。

月給は意外と高く、8000RM7000〜9000で家付き、日本への航空券付きということも。
ただし、それだけ体力的にも精神的にもきつい職場だそう。
しかも、この先、マレーシアの人件費や物価がどんどん上がれば、コールセンターはよりコストの安い国へ移っていく可能性があります。
そのあたりもリスクといえるかもしれません。

 
◎子どもの教育目的の人が、現地採用で仕事を得ることは可能?

長時間労働を求められることが多いため、片親だけの親子留学だと厳しい局面が多々あるようです。
お子さんを預かってもらえる人を見つけるなど、体制を整える必要があるでしょう。

 
◎「現地採用」に必要な資質は?

前職は問われない場合もあれば、かなりコアな部分での専門知識と経験保持者に限るというパターンもあります。
対応能力・コミュニケーション力が高い、英語力がある人が求められる傾向があるそうです。
また、「運」も必要なのだとか!
 

◎「現地採用」の求人情報はどうやって手に入れる?

下記の方法が一般的です。
1)企業による直接雇用。ウェブサイトやフリーペーパーで求人を行うことが多い。
2)人材紹介会社に登録し、仕事を紹介してもらう。
3)コネを使う。

2)の人材紹介会社は、クアラルンプールには日系企業が4社多数あり、日本にいながら登録することも可能です。
また、一次面接だけなら、Skypeを通じて行うこともあるそう。
ちなみに求人数はペナンやジョホールは少なく、KLに集中している傾向があるそうです。
※JETROに登録している日系企業は約1600社あるそう。うちKL、セランゴール州で1000社弱、ペナン、ジョホール各100〜150社となっています。

 
 

……とまあ、このように現実はなかなか厳しいです!!
特に子連れの場合、親が仕事で忙しすぎると、子どもが学校で荒れたりということもあるようです……。
まあ、それは日本にいても同じですよね……。

とある東南アジアの国で現地採用で働いている知人が、「海外の日本企業こそがブラック企業」とFacebookに書き込んでいるのを目にしました。
確かにそういう面もあるかもしれません……。
じゃあ現地採用がマイナス面ばかりなのかといったら、そうともいえないと思うんですよね。

デイジーは編集業という制作畑なので、自慢じゃないですけど、20代のときからバリバリ“ブラック”な業界で生きてきました。
残業代も当然出ないし、ボーナスもなかったので、最初に就職した会社は計算するとたぶん時給200円台だったと思います……。
次に丁稚奉公した編集プロダクションは、月給12万円でした!!(1998年頃のお話です)
しかし、これらはいずれも想定内で、いずれ独立するつもりで期限付きだったし、当時はすべてが目新しいことだらけだったので、毎日楽しんで仕事をしていました♪

今思えば、「20代で海外に出ていればな〜」と思わないこともないですが、若いときにみっちり編集の基礎を学ばせてもらったおかげで、今、海外でも暮らしていける自分がいます。
あの時代、デイジーはお金をもらって仕事をしていたのではなく、仕事をする代わりに、近い将来、自分の力でお金を手にするための経験とコネクションを師匠から分けてもらっていたのだなーと思っています。

なので、特に若い人には、これしきの現地採用情報でひるんでしまうことなく、果敢にチャレンジしてもらいたいと思っています\(^▽^)/
お給料をもらいながら、英語が身につき、仕事のスキルもアップできちゃうなんて、ものすごいチャンスだと思うんです。
世界中どこででも生きられる力は、この先の人生において、何より大きな財産になるはずです。
経験したことを生かして、自分で事業を興すという道もあるかもしれません。

大切なのは行き当たりばったりじゃなくて、常に先を見据えながら行動すること。
忙しい日常に飲み込まれてしまうのではなく、めざすところからは決して目を離さず、自分の歩く道を常に細かく修正しながら、進んでいくことが大切だと思います。

いずれにせよ、日本で生きていくにも、大変厳しい時代が来ています。
お金は生きていくうえで確かに必要で、大切なものではありますが、いちばんではありません。

大切なのは、いつどこで何があっても笑顔で生き延びる力、そして家族を守る力なのだと、デイジーは信じています!

 

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デイジーの仕事が〆切前になるとかなりブラックなのは、修業時代も今も変わりません!(苦笑)
そんななか、週末、友人たちと市場へ買い出しに行ったあと、近くの公園へ。
池にはカメがうじゃうじゃ、森にはサルがうじゃうじゃ。
たくさんのおしゃべりと子どもたちの笑顔と自然と。
こういう瞬間て、つくづくしあわせだなあって思うのです。
ストレスフルな心身に沁み入り、かな〜りリフレッシュできましたっ\(^▽^)/