※2020年3月20日追記
noteが「売上を公開して購入を煽る行為の禁止」を発表し、今週ここでご紹介した情報商材の販売ページは削除されたようです。
noteの作者を心配していたお節介おばさんデイジー的には、ちょっとホッ。
コロナウィルスの影響で、リモートワークに切り替えたり、イベントを中止したりする企業が増えているようですね。
デイジーも、今週予定していた東京開催セミナーをオンライン開催に切り替えました。
それに合わせて、東京出張も見合わせることにしました……。
お会いしたい人がたくさんいたので、残念無念(涙)。
今、マレーシアからできることに専念したいと思います。
* * * * *
さて、ここからいつもとちょっとトーンが違って、デイジーの専門分野である「マーケティング」にまつわるお話です。
先日、デイジーのマーケティング用のメールマガジン(真面目なほう)で、「月商7桁中高生のマーケティングを分析してみた!」というタイトルでメルマガを配信したら、思いがけなく反響が大きかったので、加筆してこちらに掲載したいと思います。
このブログを読んでいる方は、お子さんをおもちの方が圧倒的に多いので、何かしら考えるきっかけにしていただけたら幸いです。
(実は最近、留学生やこれから留学したい中高生も読んでくれてるんですよー! めちゃうれしいです!)
まあ、渦中の中高生やその背中を追う若い子たちにしてみたら、デイジーおばさんの話なんぞハナクソみたいな価値しかないとは思いますが、ここにたどり着いたのも何かのご縁。
よかったら最後まで読んでみてくださいな!
親と子の下克上!? 中高生が7桁、8桁稼ぐ時代がやってきた!!
長らくほったらかしだったTwitterを先月あたりから再開してみたら、いろんな世代の情報が取れるようになってきました。
最近は中高生もTwitterを賑わせていて、これがかなり面白いです。
だって月商7桁、8桁の子もいるんですよ!!
「なんのこっちゃさっぱりわからない」という方のために、リンクを貼ってみますね。
……みたいな、毎日満員電車に乗って会社に行っている大人からしたら、ひっくり返りそうな、嘘みたいな話がインターネット上で起こっているわけです。
月収7桁、8桁中高生のビジネスモデルとは!?
さて、世のお父さん、お母さん世代にとってみれば、最初に頭に浮かぶのは
中高生がいったい何を売ってそんなに稼いでんの???(驚愕)
ってことだと思います。
最初に種明かししてしまいますね。
彼らは、
「どうやって月商100万円以上の売上を上げたか」
「どうやってTwitterのフォロワーを増やしたか」
という自分の商業活動(あえてビジネスとは呼ばないよ!)の軌跡をテキストにまとめ、「情報商材」と呼ばれる商品として主にnoteというプラットフォームで販売しています。
例えば、こんな感じ。
ほお、価格がもう2万円になるんですね!
スタートは、確か1,980円とかそれくらいだった気がします。
中身も見ずに外野からやいのやいの言うのは違うよな、と思ったので、デイジーは4,980円のときに実際に購入してみました(爆)。
その金額に見合った価値があるかどうかは、ここでの主題ではないので、中身についての言及は避けます。
彼らのビジネスモデルをめちゃくちゃシンプルに言うと、
Twitterで数千~数万人レベルにフォロワーを増やし、その過程をnoteで情報商材として売ること。
それで売上が上がったら、さらにその過程や売上明細も商品化する。
以上。
どうです?
すごいでしょう?
うらやましい?
真似したい?
それともそんなことで大金が稼げてしまうなんて怖い?
何よりわが子が「自分も情報商材を売って儲けたい」と言ったら、あなたはどうしますか?
中高生・情報商材ビジネスの甘さと怖さ
マーケティングには、「基本の形」というものがあります。
この中高生たちも、きちんとそれにのっとって活動しているのであります。
購入したnoteを斜め読みしたところ、かなり忠実にやってます。
なかなか感心です。
が、全体を見るとビジネスモデルは甘いんですよ(笑)。
中高生なんで当たり前なんですが。
どのへんが甘いか、デイジー目線で解説していきます。
1)マーケティング情報は商品として陳腐化しやすく、価値を保ちにくい
「情報」に価値があるのは、最初だけなんですね。
ある程度出回ると、コモディティ化(=普遍化、汎用化)しますので、価値は下がり、価格も下落します。
そうなると、売上を上げ続けるには、
・新しい「情報」を提供し続けるか
・コピーライティング力を磨くか
・ビジネスモデルを変えるか
になっていきます。
ちなみに上記で最も短期的に効果があるのは、まちがいなくコピーライティングでしょうね。
件のnoteの彼が、売上をどんどん伸ばしたのは、まさにこのコピーの力が大きいわけです。
「ここで買わないと値上げするぞ」というコピーで消費者に脅しをかけて買わせているスタイルですね(笑)。
確かにこれをすると売上は伸びるんですが、
コピーと商品内容、あるいは提供する価値と価格が乖離していくと、最終的に「詐欺」と呼ばれることになります(苦笑)。
こうなると、評価の星は減り、批判的なレビューが増えるので、放っておくとだんだん売れなくなります。
何より怖いのは、それによって自分の信用が棄損されるということ。
中高生たちは経験が足りないので、このことの重大さに気づいてない印象を受けます。(誰か大人がちゃんと教えてあげて)
本名でやってないから、適当なところで名前を変えちゃえばいいって話もありますけどね。
でも誠実でもお客さま目線でもないことは、まちがいありません。
2)リピートの仕組みがないと、新規顧客を獲得し続けなくてはいけない地獄が待っている
noteの情報は、基本1回の売り切りなので、常にマーケティングをして新規顧客を獲得しなければならないんです。
この先は、一部の先駆者やタレント化したカリスマ中高生たちが、会員制サロンをつくっていくのだろうとデイジーは予測しています(ていうか、もうしているのかも)。
そして、後続隊であるその他大勢の「稼ぎたい中高生」がカモ(失礼!)になります。
カモたち(失礼!)は先輩に倣って必死で情報商材をつくることになるのだと思いますが、1でも挙げたとおり、情報はあっという間に陳腐化しますから、なかなか売れない。
あとは後続隊が参入した時点で、超レッドオーシャンですよね。
だって、先人の軌跡に自己流のアレンジを加えたものが大量に出回ることになるんですから。
その結果、たくさんのライバルたちを押さえて「売るために」マーケティング活動はし続けなければならない、売れてないから売れてる先人の商品を買い続ける、という地獄を見ることになります。
(大人でもこういう人いますよね!)
まあ、要はマーケティング頼みの商売は、先に市場を見つけてやったもん勝ち。
勝馬には乗れない、そんなうまい話はない、っていうのが真実なんです(笑)。
3)「若さ」は減価償却されるので、そこを売りにするとやっぱり地獄が待っている
さらにこのビジネスモデルの弱いところは、中高生という「賞味期限」があること。
中高生だけじゃなくて、ジェンダーもそうなんですが、「若さ」を売りにすると後々つらいんですよ。
理由は2つあって、若さは時間とともに減価償却される(価値が目減りする)のと同時に、自分の後からいくらでもさらに若い人が出てくるからです。
だって、ほら見て!
すぐ後ろにうちの子(現在8歳)も控えてる(笑)
「中高生ブランド」を使い続けると、マーケットから必ず退場を余儀なくされるときが来るというのがわかっているのでしょう。
この数週間で「月商7桁中学生」のようなキャッチーな看板を外す子が出てきました。
(さすが賢いですね! 並のティーンエイジャーではありません!!)
その点、中年以降のマーケットはいいですよー。
層が厚く、お金を持っている人も多く、ニッチなマーケットを見つけることさえできれば、マーケティング知ってるライバルが少ない(笑)。
ほほほほほ。
とまあ、悔し紛れ(??)の軽口も叩いてみましたが、デイジーとしては、インターネットビジネスの本懐、というか、自分次第でどんなふうにもなれるおもしろい時代が来たな〜と、見守っています。
(大人にはもはやわからない世界とも!)
だって、私たちの中高生時代と比べたら、あまりに自由じゃないですか。
ちなみにデイジー、全然自慢にならないけど、中学時代(もちろん公立)、学年で先生たちからいちばんビンタを食らった女子のひとりだったと思います!!
男子入れてもトップ10に入るかも!? ←反抗しすぎや(´Д`)
マーケティングの魔力に魅せられた中高生はどこへいくのか
マーケティングのコンサルタントをしているデイジーがいうのもなんですが、マーケティングには確かに大きな威力がありますが、匙加減をまちがえると、毒にもなるんです。
大人でも、その魔力につかまってしまう人たちがたくさんいます。
マーケティングばっかり学んで、肝心の中身がペラペラの例を、デイジーはいくらでも見てきました。
そんな大人でも取扱注意のマーケティングの魔力を知ってしまった中高生たちの将来を考えてみると、まず会社員にはならない(なれない)でしょうね!
「いい会社」に入る必要がないから、大学へも行かないかもしれない。
会社員になる/ならない、学歴のある/なしは、正直どうでもいいのですが、デイジーがマレーシアで見守っている単身留学生たちと比べると、将来大きな差がつくだろうなと感じています。
というのも、学業に見切りをつけて稼ぎに走った子の末路は、おそらくほとんどが「自分さえ稼げればそれでいいという思考の大人」なのだと予想されます。
「稼ぐこと」が人生の目的になり、「しあわせ」を受け取るのが難しくなる可能性があります。
学業は大変だけど、大人になったときの基礎体力になるもの。
本人の血肉となるものなんです。
マレーシアにきている留学生たちは、英語を使ってたくさんのことを学んでいます。
数学やサイエンスはもちろんですが、中学生でも「ビジネススタディ」という科目まであるんですよ!
語学は、英語だけでなく、中国語、マレー語(マイナーなようですが、インドネシア人2億6000万人とコミュニケーションできます)、スペイン語、フランス語などなど…
ただ表面だけなぞって知るのではなく、それを駆使することで学びを血肉に変えています。
そして何より広い世界を知っている。
月商7桁、8桁の中高生がお金を稼ぐために、インターネットという広いけど実は狭い世界で「ある種の作業(仕事ではないと思う)」に明け暮れている間に、マレーシアに来ている留学生たちは、世界とは多様で、それぞれに違う価値観をもち、文化があり、宗教がある人たちが集まってできているものだということを、肌で学んでいるわけです。
そういう留学生が大人になって社会という舞台に立ったとき、若いうちから情報商材を売って大人になった人たちと比べると、社会に提供する「価値」の内容がまったく変わってくると思うんですよ。
いやいや、正直デイジーだって
10代で月商7桁、8桁は確かにすごい!
そんな時代に生まれてみたかった!
とは思います(笑)。
(そしてデイジーが今の時代に中高生だったら、学校やめて稼ぎに走ってたかも! 学校とは、それくらい逃げ出したい場所でした)
けれど、「自分は誰かの役に立っている」という確かな思いは、自信であり、誇りであると同時に、人生の「しあわせ」を実感するのに欠かせないもの。
そんなしあわせな大人に対して、自分や家族さえ良ければそれでいい(結果的に誰かから搾取してもいい)と考える大人は、ひどく幼稚に見えるものです。
なかには、お金はたくさん持っているけれど、
自分の機嫌さえ自分でコントロールできない、それこそ中学生か! というレベルの人や、
悪口を言って誰かを貶めたり、自分はすごい人なんだアピールをして、ポジションを確保したりする人も……
それって、やっぱりしあわせじゃないよね、と思うのです。
幼稚なおじさん、幼稚なおばさん。
言葉にしてみると、なんかキモチ悪いですよね……。
もちろん手にするお金はある方がいい。
でも、生きているうちに使い切れないほどのお金はあっても、しあわせとは限らないんですよね。
割と最近のことですが、人生の師だと思っている人(年下)の人に、こんなことを教えてもらいました。
「経済的成功」と「人生のしあわせ」は、別次元にあるので、前者だけを追求してもしあわせにはなれない。
私たちは、大人も子どもも、なぜか経済的な成功の先にしあわせがある、と思い込んでしまっているんですよね。
でも、経済的成功と人生のしあわせは、パラレルワールドで、決して交わらないというではありませんか!
それが真実なら、
しあわせが欲しくてお金を稼ぐことに注力するのは違うし、
今、お金が十分にあってもしあわせを感じられない人は、別のワールドに移らなくちゃいけない
ということになります。
もうひとつ、ご紹介します。
デイジーのもう一人の師(これまた年下)が言った言葉です。
人生の目的は、お金を稼ぐことではなく、「しあわせになること」。
中高生がお金を稼ぐことを学ぶこと、実際に稼いでみることが悪いわけではありません。
人生でお金がないと、不幸なのはまちがいないと思うし。
お金そのものを人生の目的にしないこと、が大切なのでしょうね。
そういう意味では、私たち大人が、今、もう一度、自分たちの人生の目的を明らかにするする必要がありそうです。
こちらは、昨日、友人がFacebookに投稿していた言葉。
「君たちの価値は、稼ぐ金額や贅沢な暮らしでは決まらない」
そう、人の価値は、稼ぐ金額や学歴やテストなどの「結果」では決まらないんです。
余計なお節介極まりないとは思うけど(笑)デイジーおばさん的には、稼ぐ中高生、あるいは稼ぎたい中高生たちの脳内辞書に
「フォロワーを増やす」「売上を上げる」の他に、
本当に自分の血肉となる「学び」や「貢献」という文字が入ってくるといいな、
と見守っています。
ま、その前にまずはお金を稼ぐゲームを楽しんで、とことん突き詰めてみるのも悪くない、と思いますよ!
だって、君たちの資源は、私たち大人よりたっぷり時間があるってこと!
できるだけたくさんチャレンジして、何度でも失敗するといいです(ただし、命は失わないこと)。
そしてそのたびに立ち上がって。
その経験もまた、あなたたちの血肉となるのだから。
そして、その痛みの分、次の世代を育てられる大人になっていってね。
そうそう最後に、そんな中高生のまわりにいる大人に伝えたいことがあります。
もしも、自分よりお金を稼いでいる子どもを見つけたら、
真っ直ぐでチャーミングな、でもまだとても経験値が低く、未熟な彼らを利用しないこと。
子どもたちに対する私たち大人の役割は、
1) より広い世界を見せてあげること
2) 応援すること(干渉しすぎない)
3) 必要なときに適切な手を差し伸べること(放任しすぎない)
です。
彼らを導くことであって、決して利用することじゃない。
このことは、私たち大人がお互いを厳しく監視しなくちゃいけないなと思っています。
みなさんは大人より稼ぐ中高生の存在、どう思いますか?
君たちの未来は、あらゆる可能性で溢れてる!
だから学ぶんだよ。努力するんだよ。
誰かがつくった虚飾の価値ではなく、自分だけのホンモノを掴むんだ!